迷える若者に捧ぐ。自分には何が向いているのか?任天堂岩田社長インタビュー

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自分には何が向いているのか?

多くの若者が通る、自分自身についての永遠のテーマだと言えるでしょう。

その答えはどこにあるのか、誰にもわかりません。

しかし、すでに多くのことを迷い悩み、苦労を経験した末に成功した企業の社長からは、あなたが悩んでいるなにかを手に入れられるのではないでしょうか?

今回は、任天堂岩田社長のインタビューを紹介します。

「社長ですが、頭はゲーム開発者、心はゲーマーです」

インタビュー紹介の前に岩田社長のことを説明すると、岩田社長はもともと社長を目指していたわけではなく、プログラムが大好きな少年でした。

お父さんが政治家であることから、お父さんは岩田社長に良い職に就いて欲しかったようですが、岩田社長が選んだのは、なんと小さく実績もないゲーム開発会社に就職。このことでお父さんは不機嫌になり、岩田社長と半年間口をきかなかったというエピソードまで残っています。

しかし、プログラムが好き、ゲームも大好きな岩田社長はここからめきめきと頭角を現し、初期ファミコンを支える多くのゲームを作り上げていきます。

天才的手腕でアルバイトから社長にのぼりつめた岩田社長は、更に任天堂からヘッドハンティングを受け、任天堂の取締役経営企画室長に。

さらに任天堂でも42歳という若さで社長になっていくのですが、人生を通して岩田社長の発想は柔軟であり、常に新しく、周囲を驚かせるようなものばかりでした。

電子メールすらろくになかった時代、バイク便でフロッピーデータをやり取りしていたところ、「東京から山梨まで、電話回線を使ってデータを送ればいいじゃないか」と日本で誰も試していなかったことを始めたり、「ゲームボーイにアダプタをつけて無線通信ができればいい、今すぐやろう」と始めたゲーム無線通信は、今ではゲームプレイの主流になっています。

岩田社長は社長になってからも、「現場でプログラムコードが書きたい」という夢を持ち続けながら、常にゲームの未来を考え、「このままでは必ずゲーム業界は終わってしまう」と危惧していました。

そこで開発した『ニンテンドーDS』と『Wii』は、ゲームに興味がなかった大人と女性を取り込むことに成功し、ゲーム業界の未来を大きく変えたと言われています。

「名刺には社長とありますが、頭のなかはゲーム開発者、心の底はゲーマーなんですよ」とコメントする岩田社長は、世界のゲーマーに愛されています。

2015年7月に55歳の若さにして胆管腫瘍で亡くなりましたが、その際の訃報は世界を駆け巡り、ライバル企業のソニーのみならず、世界中から追悼メッセージが届きました。

天才プログラマーであり、天才社長であり、ゲームを愛する少年のままであった岩田社長が、社長として若い世代に伝えていたメッセージとはなんだったのでしょうか?

自分の好きなことが、『得意なこと』じゃない

簡単に言うと、「自己評価と他己評価の違いに気を付けた方がいい」っていうお話なんです。

自分の好きなことと嫌いなこと――

もっと言えば、自分がやりたいこととやりたくないこと――を、自分が得意なことと得意じゃないこととイコールだと思い込んでる人が多いです。本当は、それってかなりズレてるのに。

好きじゃないけど得意なこともありますし、好きだけど、実はあんまり得意じゃないよっていうことも結構あって。

だから、仕事というのは「得意なこと」をやった方がいいんです。好きだけど得意じゃないことに溺れると、仕事っておかしくなることが多いんです。

自分の労力の割に周りの人がすごくありがたがってくれたり、喜んでくれたりすることってあるじゃないですか。

要するにね、「それがその人の得意な仕事なんだ」って話で。

逆に、自分的にはすごい努力して、達成感もたっぷりあるのに、周りからは「はあ?」みたいに思われることもあって。

それはね、本人が好きだったとしても、実は不得意なことかもしれないんですよ。

この話はですね、私は毎年、会社説明会で学生さんにお話しているんです。よく「自分の強みを見つけろ!」みたいな話を学校で言われると思うんですけど、普通は、学生時代に「何が自分の強みなのか」なんて、なかなか簡単には分かんないわけじゃないですか。

だから、「“労力の割に周りが認めてくれること”が、きっとあなたに向いてること。それが“自分の強み”を見つける分かりやすい方法だよ!」って、いつも学生さんに喋ってるんですね。「さっさと得意なことが分かった方が、人生はいいぞ!」って話なんですが(笑)

社会に出てやっと自分のことが自分でわかる

社会に出ると、やはり誰もが改めて自分のことを見つめなおす機会が増えます。

意外な自分の側面や、得意だと信じていたことができていなかったり、逆にこんなことができるという自分にびっくりしたり、案外、人は自分では自分が見えていないものです。

社会人になってすらそうなのですから、若い学生時代に、自分のことが隅から隅まで見つめられている人間はそうそういないでしょう。

任天堂の岩田社長ですら、そもそもはプログラマーであり、営業や経営などを目指してはいなかったそうです。

しかし、自分がいる状況からやらざるを得ず、やってみたら、「もしかして向いているのかも」ということの連続だったとコメントされています。

人生は焦る必要もなければ、まわりにいるすごい友人・知人とくらべて、自分の幸せを測る必要もありません。

しかし、自分がなにが得意か早くわかったほうが、きっと人生はとてもおもしろくなるでしょう。

では、その得意なものとはなんなのか?

そんな疑問に迷った時、岩田社長の言葉を思い出していただければ幸いです。

得意なこととは、労力の割に、人がとても喜んでくれたこと、それはきっとあなた自身が知らなくても、あなたが得意なことなのです。

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