一般市民が遺跡泥棒で10億円!ギリシャ経済破綻の行き着く先

ギリシャがやばい!

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経済破綻したギリシャ。

徹底的に他国からお金を借りまくり、「もうこれ返さないからそのつもりで!」ととんでもない言い分で国際社会を驚かせていますが、経済破綻したギリシャで今、新たな問題が起こってきています。

それは遺跡泥棒。

これまではマフィアの資金源のひとつであり、警察の取り締まりが続けられていましたが、なんとそこに一般市民も参加するようになったのです。

一般市民が遺跡泥棒に!? 経済破綻したギリシャで今なにが起こっているのか?

そもそもギリシャはなぜ破綻したのか?

ギリシャの経済破綻と今について、わかりやすく解説いたします。

なぜ経済破綻したのか

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ギリシャが経済破綻した理由について、簡単に説明いたしましょう。

1981年からギリシャの政権を握っていたパソック派は、典型的なザ・公務員チームでした。

このパソックの親玉であるパパレンドウ首相は、国民の人気取りに、「みんなも公務員にさせてあげますよ!」と言い始めたのです。

そして実際に国民の5人に1人が公務員になるというとんでもない事態が起き、莫大な予算が給料に使われます。

税金で暮らしている公務員ばかりなのに、法律はゆるゆるで、お店でちゃんとしたレシートを出さないものですから脱税しほうだい。それでいて55歳から始まる年金はサラリーマンなみ。

しかも、さらなる人気取りに「病院も全部無料にしよ!」「大学も無料にしとこ!」と次から次へと無料キャンペーンを行っていきます。

ついには電車も無料、インターネットも無料、国民は「ギリシャ最高!」と大喜びしますが、これらすべてが借金だったのです。

当然、国は赤字でぼろぼろになったわけですが、国民や世界の信用を失うので徹底的に秘密にされます。

ちょうど世間では、「ヨーロッパの国たちでまとまって協力しあっていこう!」という『欧州連合』が取り組まれていたところでした。この連合に加盟する条件は、『政治や経済が安定している』こと(赤字がGDPの3%以内、コペンハーゲン基準といいます)。

ギリシャは、GDPの13%という莫大な赤字を、「よくわからんけど、赤字1%くらいかな?そんなもんだったと思う!ちょうど3%以内やわ!」と大嘘をつき、2001年、欧州連合に加盟します。

ここに加盟することで、『欧州連合に認められた』という国際的信用を手に入れたギリシャ。

しかも、欧州連合の通貨『ユーロ』を使えるようになり、これまでの通貨『ドラクマ』より借金の金利が減ることになりました。

さぁーーー国際的信用と減った金利でさらに借金するぜ!!と、ばんばん国債を発行したため、本気でどうしようもない状態に陥ります。

日本であれば、国債を発行すると買い手の9割は国内投資家なのですが、ギリシャは裕福で貯金するという発想がほとんどなかったため、買い手の75%が海外投資家でした。

日本は借金大国といっても、自国民に借金している平和なものなのですが、国外の投資家に借金するというのは、危機に陥りやすい、非常にまずい状態です。

そうこうしているうちに、これら政策を考えたパパンドレウ首相は、カラマンリスに政権を奪われて辞任することになります。

新たに首相になったカラマンリスは、国家の財政を見て驚きました。

「な、ない…! あれほどあると言っていた金がまったくない…!! めっちゃ嘘ついてたんや…!!」

これによって、ギリシャが余裕ゼロ、借金しかない国であったことが明らかになります。

このことにより、欧州連合の中で、「他の赤字が多い国も少なめに言ってるんじゃないの!?」と大騒ぎになり経済は大混乱。

さらに、世界から「欧州連合が作った『ユーロ』とかいうお金、アメリカのドルに比べてほんとに信頼できるのか~?」と不安が広がり、世界的混乱のきっかけになりました。

これがギリシャの経済破綻です。

破綻したけど異常に強気

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ここまでおそろしいほどボロボロになっているギリシャですが、経済破綻しても異常に強気です。

本来であれば、「もう君、欧州連合から出て行ってくれる!?」と言われてもおかしくないのですが、出て行かされるどころか、欧州連合から手厚く支援されている状態。

経済破綻しているのに手厚く支援されているとは??

ここには北朝鮮とまったく同じ軍事的理由が関わっています。

北朝鮮もギリシャも、周辺の国にとっては、「あーーー変な国!! もういいよ!!」と言いたい存在なのですが、地理的に絶妙な位置にあり、周辺国家にとっては今の状態でいてもらわないと困るのです。

北朝鮮の支援は中国とロシアが行っていますが、もし北朝鮮が破綻して韓国と併合すると、アメリカ派の大国家ができあがることになります。

そうなると、中国やロシアの近くに米軍基地がグイグイ顔を出してくることになり、めっちゃ嫌なので、そうなるよりマシだと北朝鮮に延々と支援を行わざるをえないのです。

アメリカという大ボスが近所に来るなら、今いる北朝鮮というチンピラに多少お金を取られたとしても、しょうがないだろうという発想ですね。

ギリシャも同様に、ヨーロッパとロシアは緊張状態にあるのですが、ギリシャは完璧にその中間の位置にあります。具体的には、ここを押さえると海軍が動けるという位置そのものずばりがギリシャなのです。

これにより、嫌だと思っていてもギリシャを助ける他ありません。

2015年1月には、新しくギリシャの政権を取ったチプラスが、「今まで贅沢にやってきた年金とか公務員、経済破綻してからは減らしにかかってたけど、やっぱり減らすのやめとこうかな。税金とかも増やすのやめようかな。赤字はどうするかって? 欧州連合の人たちからお金借りるよ!! たくさん借りるよ!! でも返しません!」と常識はずれなことを言い出します。

このことにより、欧州連合から「もう君んとこの赤字国債は無効だっ!!」とデフォルト(債務不履行)を出されそうになりますが、日本などに借りていた116億円を返したことにより、「そういう誠意があるなら…」とデフォルト回避されます。

まぁギリシャの借金は43兆円あるんですけどね。

このように何の問題解決もしないまま、国民に対する負担だけを重ねていくものの、どこかで欧州連合には見捨てられないという安心感があるため、観光を始めとした自国産業の発展が乏しいのも、ギリシャの癌だといえるでしょう。

国民が苦しみすぎて遺跡泥棒に

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豊かな暮らしをしていたギリシャ国民ですが、経済破綻してからは、そのツケを支払わされることになります。

公務員が大量にリストラされたことによって、若者の50%が無職となり、経済が4分の1消失したことで、多くの民間企業が倒産、収入が半分になる国民も増え、銀行も一時は閉鎖。

生活が立ちゆかなくなり、「まさかこんなことになってしまうとは…」と悲しみの声があふれています。

今、ギリシャで急増しているのが金属探知機の許可申請。

ギリシャは歴史ある国であるため、金属探知機で地下を探すと、古代の遺跡や通貨を探し当てることが出来ます。

遺跡泥棒を避けるため、犯罪歴のない一般市民にだけ金属探知機の許可を出していましたが、本当に犯罪歴のない一般市民が、盗掘に手を出すようになっているのです。

実際に古代の像が農民の手によって発掘され、10億円で売ろうとしていたところを逮捕されたこともあります。

手口も巧妙化し、大きな像などは、隠しやすくするためにバラバラに分解されます。

こっそりと国外に運搬した上で、「像のパーツ売るよ!1個激安の100万円!!」などと言って販売し、最後のひとつになると、「最後のパーツは絶対欲しいよね! それは1000万円!」と超高価にして売りつけるといった、昭和の悪徳商法のようなことを行っているのです。

文化遺産はいまやギリシャの貴重な財産であり、掘られたり、盗まれたりしては海外に売りさばかれ、二度と取り戻すことができないものもあります。

経済の危機から回復できたとしても、文化遺産の損失は二度と回復できません。

これはギリシャを襲う新しい危機でもあります。

ギリシャはどうなっていくのか

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ギリシャが完全に破綻してしまったらどうなるのか。

また、ギリシャが自力で経済を立てなおしていく道はあるのかどうか。

ギリシャは欧州連合に加盟していますが、欧州連合の通貨であるユーロを作っていいという許可を持っていません。

ですから、欧州連合に見捨てられた場合、もともと自分が持っていた通貨・ドラクマを作るしかありませんが、こんなドラクエの呪文みたいな怪しげな通貨、しかもつぶれかけているギリシャの通貨、誰も欲しがりません。

日本円と交換しようと言われても断りますよね。

せめて、実際の取引額の100倍くらいのドラクマをもらえるのなら取引してもいいかも?

これこそがインフレというものであり、こんなことを繰り返す中で、ドラクマを作っても作っても足りなくなっていきます。

ジンバブエではインフレが起きすぎて、日本円で100円を得ようと思ったら、3京5千兆ジンバブエドルを出さなければいけない状態にまで陥りました。

国内に産業があれば、インフレもチャンスに変わる場合があります。ロシアがその典型ですが、輸出で海外相手に商売をすれば、インフレした自国のお金で、海外の高いお金を手に入れることができるのです。

ギリシャ最大の産業は観光です。

ギリシャのエーゲ海は世界に誇る美しい島々であり、そういった観光資源を利用しながら節約生活を行い、欧州連合に支援してもらって、今後の立て直しを図るのが最善でしょう。

欧州連合とて言いなりではないので、ギリシャ側が「節約して頑張ってるよ」という姿勢を見せなければ、支援はできないと宣言しているのです。

しかし実際には、今のギリシャにとっての節約は、国民にとってとてつもなく大きな負担となります。

2016年2月4日、「年金は67歳からにするわ」と政府が発表すると、4万人ものデモが起きました。国民にとって、これらの痛みは受け入れがたいものです。

ギリシャの課題は、腐った経済を民営化し、自国の産業をいかに活性化させるかということです。

海運業などでこの動きは始まっていますが、自国の産業に関しては、今までの豊かな生活が尾を引いているのか、あまりにも遅く的確ではありません。

観光しかない国だというのに、30年前に始めたパルテノン神殿の修理が、今もずっとやっているというのんびりっぷりです。

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エーゲ海近くの旧アテネ空港は、観光客に最適だというのに、アテネオリンピックの時に新しい空港を作ったものですから、「新しい方がきれいだし、古いのはもう使わないから…」と放置した結果、廃墟になり15年も経過しています。

もったいなさすぎ!!

大阪みたいな小さなところでも、関西空港と伊丹空港をふたつ使ってるんだぞ!! ギリシャでもちゃんと使えるものは使いなさい!! イオン建てるだけでもいいだろ!!

今回の記事ではすべてギリシャの写真を使用しましたが、どれもこれも腰を抜かすほど美しいです。エーゲ海などは、日本海と比べたらバチが当たるレベルの美しさです。

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このような自国の観光資源を活かし、民間産業を活性化させても、ギリシャが独り立ちするまでにはまだまだ時間がかかるでしょう。

それまでの経済危機をどうしのぐか? 実際には欧州連合に頼る他ありませんが、その間にも、国民への負担は増すばかりです。

文化遺産への傷跡は決して回復できません。ギリシャには多くの課題が残されています。

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