格安スマホ、MVNO、中古iPhone…。携帯業界の今と、MNPキャッシュバック廃止の事情

キャッシュバックが廃止の動きへ!

2015年12月16日、docomoがMNPのキャッシュバックをやめると発表しました。

これまで、携帯電話を乗り換えるだけで数万円、ヘタすれば10万円以上のキャッシュバックが行われていたMNP。

なぜ廃止になるのでしょうか?携帯料金は今後どのように変わっていくのでしょうか?

また、いま流行りの格安スマホとか、MVNOってなに??

庶民が気になるスマホ事情について、わかりやすく解説します。

高すぎる携帯料金に、総務省からツッコミ

携帯市場は、docomo、au、softbankの独占状態であり、客をたらいまわしにしたり、日本でしか考えられない独自の仕組みで通信料を取ってきました。

一度契約したら2年間解約したらいけないよ、という『2年縛り』。

iPhoneを買ってくれたら、『本来の通信費』を本体代金分割引する、『実質0円』。

しかし海外では2年縛りで解約できないルールなんて存在しませんし、『実質0円』に関しては、そもそも『本来の通信費』の金額を支払っている人がまずいません。

架空の金額から、iPhoneの代金分を下げていますと言っているようなもので、詐欺ではないかとも言われてきました。

しかしそれでも、とりあえずスマートフォンを使うためには契約するしかないので、多くの方々が「まぁ、なんか安くなってるのかなぁ??」と思いながら契約してきたんですね。

その結果、家庭の通信費は激増し、ついに年間平均にして20万円近い金額にふくれあがってきています。

お給料が20万円の方ならば、1ヶ月まるまる携帯やネットのために働いたと言っても過言ではありません。

そして、一般庶民に携帯を販売している携帯キャリアは、なんと年間1兆円以上の営業利益を出しています。

政府はアベノミクスの頃から、なんとか景気を回復させようといろいろと考えており、この通信費の異常な増え方も、一般庶民の家計を圧迫していると懸念していました。

総務省がついに、「もうそろそろ、2年縛りだのなんだの、変な仕組みをやめなさい。これから国際社会になっていこうというのに、日本には国際競争力がつかなくなってしまうよ。携帯代を下げること!いいね?」と警告されていました。

これが去年のことで、携帯業界に詳しい方は、果たしてどうなるかと行く末を見守っていたのです。

10万円キャッシュバックのお金は、今の携帯ユーザーの通信費

携帯は一度使いはじめると、そうそう変えるものではありませんから、とにかくサービスして新しいお客を勧誘することに意味があります。

そのために考えられたのが、「MNP(携帯会社乗り換え)してくれたら、○○円キャッシュバック!」というもの。

実際、決算期になると、とにかく今年度の売上を上げるため、10万円くらいは軽くキャッシュバックされていた記憶があります。

ぼくも先日MNPしましたが、なんやかんやで3万円分くらいキャッシュバックがありましたし、携帯代金も完全に0円で購入でき、しかも月々の通信費まで安くなりました。

ずーーっと長く使っていたsoftbankからは何のサービスもなかったので、一体なんだったんだと思わされてしまいました。

でも、キャッシュバックのお金は、『長く使っている人』の通信費から回しているわけです。

ここに不公平感が多くあり、ついにdocomoでは廃止の動きとなりまして、auやsoftbankも、「うちもやめるかも」と検討しています。

嬉しいことのように思いますが、その後どうなっていくのでしょうか?

今後、新規契約は値上がりする?

『2年縛り』などをやめなさいという総務省ですが、携帯キャリアにとってはとても困る話なのです。

「2年縛りにしておかないと、iPhoneだけもらってすぐ逃げる人がいるかも知れないじゃん!責任取れるの!?取れないんだったら、逃げられても損しないように、契約時に本体代は取らせてもらうけど…」。

もしも2年縛りでゆっくり払っていたiPhone代を、『いつ解約されてもいいように』一括で支払うルールになると、その金額は10万円前後。

もしも新規契約で10万円もかかり、キャッシュバックなどもなければ、契約するには相当に勇気が入ります。

また、総務省は「月々の携帯料金も減らしなさいよ」と言っているのですが、各キャリアはしぶしぶ減らそうとしているものの、値下がり幅は低いだろうと言われています(正式な発表は2016年)。

キャッシュバックがなくなり、通信費もたいして下がらない、新規契約も値上がりするとなれば、とても使いづらい時代がやってきます。

そろそろユーザー本位の携帯料金にして欲しいと、全国民は願っているでしょう。

総務省「iPhone以外とか中古買ったらどう?」

そのために総務省が提案しているのが、「iPhone使うのやめたら?」。

どんどん発売されている格安スマホを買ったり、iPhoneならiPhoneでも中古を買うことにより、本体代金はおさえられるのではないかと提案しています。

それはそうなのですが、携帯の売上を見ますと、iPhone販売時にはランキング1位から10位までiPhoneで埋まるという有様です。(16GBモデルとか32GBモデルとかのモデル違い)

こうしてみますと、総務省がどれだけ若い世代に「iPhoneやめたら」、「中古でいいじゃん」と言ったところで、「うるせーーおやじ!全然若者のことわかってねーよ!」と言われそうです。

総務省の提案により動き出すのは政府ですが、今後どのような政策を行うのか、非常に注目されています。

中古市場や、docomo・au・softbankに頼らないMVNOなど、『今よりも安いもの』が盛り上がれば盛り上がるほど、国民の通信費は下がっていきます。

そうなれば、お客を確保するために、docomo・au・softbankも通信費を下げざるを得ません。

これが健全な競争社会なのです。

不景気で多くの方が苦しんでいる中、異常なほど増え続けている通信費を減らしていこうというのは、基本的にはとてもいい政策だといえます。

問題はそれがどのような形で進められていくかによりますので、消費者は目を凝らしていく必要がありますね。

格安スマホとかMVNOとか中古とかよくわからないんだけど

総務省や政府はいろいろ言っていますが、そもそも格安スマホとかがなんなのか分からないという方は多くいらっしゃると思います。

携帯キャリアはさんざんCMで『ドコモダケ』『au桃太郎』『softbankのお父さん』などキャラクターを売り出し、イメージや親近感を作って利用までのハードルの低さを狙おうとしていますが、格安スマホとか全然知られていません。

「安いから怪しいんじゃないの?」というイメージすら先行することもあるでしょう。分かりやすく説明いたします。

格安スマホ

簡単に言いますと、3大携帯キャリア以外の携帯キャリアだと思っていただければ分かりやすいです。

楽天、DMM、Yahoo!などが参入し、とにかく安さをウリにした通信プランを提供しています。1000円ちょい+本体代くらいのことで毎月スマホを利用することができますよ。

会社ごとに細かなプランの違いが有り、詳しくは今後別ページを作りたいと思いますが、3大携帯キャリアが高すぎるので急成長株だといえます。

ただし、カケホーダイなどのサービスはないので、とにかく電話を長時間するという方にとっては安くおさめるのが難しい場合もあります。

MVNO

携帯で電話をするためには、電話番号の情報が登録されたSIMカードというものを挿さなければなりません。

iPhoneでもAndroidでも、必ずこのSIMカードが挿さっています。

携帯の契約というと、本体と契約するとばかり思ってしまいがちですが、このSIMカードと契約するのだと思って下さい。すべての料金はここにかかってきます。

では、携帯代が高いのなら、iPhoneはそのままでSIMカードだけ安い会社にすればいいんじゃないの?ということで生まれたのがMVNOです。

いま使っているiPhoneやスマホはそのままに、料金を安くすることが出来ます。

ただし、SIMを自由に差し替えられるようになったのは2015年5月からであり、それ以前のスマホでは、契約した携帯会社のSIM以外は受け付けないように作られています。

また、こちらもカケホーダイなどのサービスがあまりないので、長時間通話したい方には向かないと言えるでしょう。

中古市場

MVNOでSIMカードを差し替えられても、そもそも本体のiPhoneが高いじゃないかという方のために、iPhoneそのものを中古で買う方法があります。

2015年5月以降のものであればSIMカードを自由に挿せるので、これらを購入することになりますが、中古購入は自己責任です。

最近のiPhoneはずいぶん壊れにくくなっていますが、さすがにスマートフォンは数年使えば寿命だと言えますし、早く壊れても文句は言えません。

裏を返せば、2年~数年で寿命がくるようなものを新品で買うのがもったいないという方もおり、中古でも新品同様のものを手に入れられれば、とてもよい費用対効果になるといえるでしょうね。

自分で考えて選ばなければならない時代へ

昔は携帯の選択肢がなかったので、docomoくらいしかなかったり、せいぜい電話用にウィルコムを契約するとかそんな程度のことでしたが、いまや携帯業界は戦国時代です。

自分で考えてよいものを選んでいくことが、将来の携帯業界を良くすることにも繋がります。

ちなみにぼくの選択は、

  • iPhone欲しい(しかもタダで、しかも大容量モデル)
  • 通信は気兼ねなくハイスピードでしたい
  • しかも電話も好き放題したい

というスーパーわがまま要望を叶えるため、iPhone6sの発売時にiPhone6にMNPするという方法を取りました。

関連記事: MNP乗り換えで、iPhoneが月々3,629円に!ぼくが乗り換えした方法をすべてご紹介します!

それまでは8,000円ほど携帯料金を支払っていたので満足していますが、今後もひとつのキャリアにこだわらず、時代時代によっていいものに取り替えていこうと思っています。

読者の皆様も、乗り換えは面倒かと思いますが、ネットにはさまざまな分かりやすい情報がとびかっていますので、自分にとって良いプランを選ばれることをおすすめします。

月額利用料が下がってずいぶん家計が楽になりますし、ひとつの行動が、今後の携帯業界を変えていくと思います。

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