ぼくは自他共に認める創作マニアで、ほとんどのものを自分で作ってしまいます。
アクセサリーから料理も絵も、およそ創作と名のつくものはなんでも好きで、フィギュアくらいなら自分で作れますし、奥さんに贈るために、銀を溶かして指輪を作ったこともあります。
ぼくの創作友達が先日、「ルビーの指輪つくったよ~」というので、「どこでルビー買ったんですか?」と聞いたところ、
「買ったというか、現地まで行って掘ったよ」
と言われ、我々は創作に魂を売り渡していると感じたものです。
しかしもう、そんなことしなくても、誰でもなんでも作れる時代がついに訪れようとしています。
ディズニーがついに、簡単にできる立体コピー機のようなものを開発し始めたのです。
3Dプリンターが現れたときもすごいと思いましたが、立体モデル作りが難しかったり、色つきの立体物が作れなかったり、機種によって出来栄えが粗かったりと、浸透するまで時間がかかるだろうと思っていました。
しかしディズニーが開発したものは、誰でもかんたん、ワンタッチで安価に一瞬で本物そっくりに立体コピーができるというのです。
これはいったいどうなってるの!?
どういう魔法!?
世界が変わってしまう!!
今回は、そんなディズニー・リサーチ(ディズニーの技術開発部門)の立体コピー技術を紹介します!
本当に立体物を一瞬でコピーできている!
百聞は一見にしかずで、まず動画を見ていただくのが早いのですが、ディズニー・リサーチが開発したのは恐ろしい技術です。
動画を見るのが面倒という方向けに、キャプチャでも紹介させていただきます。
造形で作ろうとしたらめちゃくちゃ時間かかりそうな木。
これを一瞬でコピーできるなんて、どう考えても信じられない!
木の幹が印刷されているものを、専用の機械にかける。
ん!? ふくらんだ!?
え!? どういうこと!?
なんにもしなくても一瞬で木の幹が完成した!?
どういうことなの!?
これが魔法の種明かし
この魔法の装置の原理は、以下のようなものになるようです。
まずコピーしたいものをコンピューターでスキャン。
平面の画像にしてプラスチックシートに印刷。
熱で変形させ、型に貼り付けさせるというもの。
ふくらみ始めると一瞬で完成します。
す、すごい…
同じ理屈で、車なども思いのまま。
一瞬でぺコン、とふくらみ…
簡単に再現可能。そう、ディズニー・リサーチならね。
いつ一般人が使えるときがくるのか? 価格は?
このディズニー・リサーチの技術について、日本語で解説されているページがどこにもないので、詳しく紹介することができないのですが、いくつか疑問に思う点もあります。
印刷したプラスチックシートをふくらませるというのは、まさに目からウロコで、たしかにこの理屈ならあらゆるものを完全再現することができるでしょう。
しかし、型に貼り付けるようにしてふくらまさないと、立体コピーはできない様子。
その『型』は3Dプリンターで作るのかな…?
だとしたら、立体コピーというよりも、3Dコピーに貼り付けるスキンという意味合いのほうが正しいかも知れません。
正直、初めて見た時は感動してしまったのですが、我々一般人が使えるようになるのは相当先のような気もします。3Dプリンター自体が家庭に普及してないので…。
しかし、もしもこのようなものが世間に普及するようになったら、世の中は大きく変わってしまうでしょう。
かつては印刷というと印刷屋に頼むしか方法がなかったのですが、今では家庭用プリンターでちょっとしたものならなんでも自分で印刷できてしまう時代。
今度は立体印刷が更に進化して普及すると、
「スプーンがひとつ足りない! ネットでスプーンの立体データダウンロードして、立体プリンターで印刷しよ!」
という時代が訪れるのです。
とはいえ、立体コピーの原型を作る職人はいつの時代にも必要となるので、やはり技術職は廃れることがありません。
3Dコピーにはまだまだ弱点も多く、いまだ黎明期といった感じではありますが、とてつもなく進化がめまぐるしい分野でもありますから、ご家庭で自分のほしいものを立体コピーできる時代はそれほど遠くなさそうです。