今後の車は自動運転!人工知能の運転手、グーグルカーの最新技術と試乗者の感想

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GoogleOfficialblogより

2016年2月9日、アメリカ当局の公式発表で、グーグルカーを法律的に運転手として認める方向に進んでいると報じられました。

ついに時代は、人間の運転手から人工知能の運転手へとシフトし始めています。

いったい、グーグルカーとはなんなのか?

本当に機械が車を走らせられるのか?

ついに始まる人工知能時代に、自動運転の車についてわかりやすく紹介いたします。

人工知能の車はなぜ開発されたか

人工知能の車というと、非常に冷たく感じてしまいますが、このアイディアを本気で突き詰めて開発しているのが、Googleの副総裁であるセバスチャン・バークハード・スランです。

彼はドイツの天才プログラマーであり、18歳の時に親友を自動車事故で失っており、「車の運転こそ、安全な機械に任せればいい」という思いを強く持っていたといいます。

技術者としても誇り高い人間で、彼の有名なセリフにこのようなものがあります。

私は自動運転車が『実現可能か』を考えたことはない。技術者が未来を証明する方法は、実際に作ってみせることだ。

このセリフ通り、彼は着実に自動運転車の開発にいそしみ、アメリカの公道を走ってもまったく問題のないグーグルカーを開発しました。

これまで、法律的には運転手だという裏付けがなかったグーグルカーですが、ついに法律もグーグルカーを運転手として認めようとしています。

車に乗り、起動ボタンを押し、スマートフォンのアプリに目的地を入れるだけで、グーグルカーは勝手に走り出します。

事故もなく、人間より遥かに安全で、効率がよく、ガソリンの消費は最小。

人間は走行中、一人で趣味を楽しんだり、みんなでわいわい遊んで楽しんだり、運転の負担を感じることはもうありません。

夢の様な技術ですが、果たしてそんなグーグルカーにはどのような技術が用いられているのでしょうか?

グーグルカー、自動運転車の技術と歴史

自動運転車が開発され始めたのは、2004年に米国防高等研究計画局が開催した『DARPA グランドチャレンジ』という大会が最初です。

このころの自動運転車の技術はとても幼いもので、信号などがなにもない砂漠を240キロ、障害物をよけて走るという、たったそれだけのことなのに、完走できた車はゼロ。

最大でも全コースの5%を走れた程度にとどまり、自動運転車など不可能なのではないかと思わされました。

しかし翌年の2005年、トップで完走した車こそが、セバスチャン・バークハード・スランの『Stanley』だったのです。

この後、2007年に行われた街中を想定した大会、『DARPA アーバンチャレンジ』はとてつもなく難易度が高く、交通ルールを完璧に守ることと、空いている駐車場を自動で探して止めるなど、2004年では考えられない技術が求められましたが、セバスチャンらの自動運転車はそれらをクリアしていきました。

セバスチャンはGoogleへと開発の舞台を移し、たったの10年程度で、法律によって認められるところまで技術が進みます。

これはもはや考えられないレベルの進化スピードであり、今後の10年は人工知能の時代になることは間違いありません。

ここでグーグルカーの技術について、詳しくひも解きましょう。

コウモリのようにすべてを感知

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GoogleOfficialblogより

グーグルカーの異常にかわいらしいデザインは、自動運転であるからこそ、威圧感をまったく与えないような愛らしいデザインを工夫したそうです。

かわいらしい顔のようですが、鼻の黒い部分はレーダーになっており、前面に存在するすべての障害物を認識しています。

また、屋根の上につけられた黒い物体は回転3Dセンサー『LIDAR』であり、簡単に言うとコウモリが移動する仕組みを搭載していると考えて下さい。

コウモリが暗闇の中でも移動できるのは、超音波を出しながら、それがどのように反響するかで、頭の中に3Dの地図を組み立てて環境を読み取っています。

グーグルカーも同じ仕組みで、赤外線やレーザーを放射し、その反射光によって一瞬で360度の3Dマップを組み立てます。

そのスピードは66ミリ秒であり、人間が認識することすらできない0.1秒以下の世界です。

これによって、すべての物体の動きが正確に把握出来るだけではなく、通常のカメラではわかりづらい、白線などまで細かく認識できるため、人間の眼球に極めて近い理解が出来るといえます。

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LiDAR オフィシャルムービーより

さらにグーグルカーには、GPS機能とともに、Google Mapsでのすべての地図・位置情報が入力されています。

これらの情報を一瞬で組み合わせ、運転のための最適なルートを計算します。

認識精度も素晴らしく、実際の試乗運転では、「横断歩道を渡ろうかどうか迷っている人」がいることを正確に察知し、距離を取るという技を見せていました。

わずか10年でここまで進化することを誰が予測できたでしょうか。素晴らしい技術革新です。

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Google Self-Driving Car Projectより

上の画像はグーグルカーが見ている仮想世界の全体図です。

更にここに、コウモリのような3Dマッピングが加わり、精密なものになっていきます。

安全性はどうなのか

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Google Self-Driving Car Projectより

自動運転でもっとも怖いのが安全性の問題です。

これらをクリアするため、20台以上のグーグルカーを6年間試験運転させ、安全性をテストしました。

6年間で11件の軽い事故にあいましたが、すべて『人間の自動車にぶつけられた』事故によるものです。信号待ち中にぶつけられることがもっとも多く、6年間、人工知能のミスで事故をしたようなケースは一度もないとのこと。

6年間で追突されたことしかないというのは、人間では考えられないほど優秀な成績です。

人間は、技術が進歩してもモラルが向上しない傾向にあり、特にスマートフォンの開発からはそれがひどく、アメリカでは66万人のドライバーが、運転中にスマートフォンをいじっていると言われています。

不注意やマナー違反による悲しい事故は後を絶たないため、マナー違反を起こすならば自動運転のほうが安全だといえます。

ちなみにグーグルカーは、これまで人類が運転してきた全世界すべての車の走行時間を超える量のテストをすることが目標となっています。

このため、1日あたり480万キロ、地球120周分という膨大な距離のデータを集め、仮想データ空間でシミュレーションし、さらにそれを実際の試験車でテストするという方法です。

安全性を確保するためにGoogleも慎重であり、問題ないレベルだと言われていますが、やはり人間、自分が乗ってみないことには何も信用できません。

どれだけデータで示されても、自分が乗ってみるまでは安全だとは信じられないでしょう。

実際に乗ってみた方々のレポートを紹介いたします。

グーグルカー試乗レポートまとめ

●車内にはハンドルもない、アクセルもない、ブレーキもない。

非常時用に、取り付けできるアクセルとブレーキが常備されている。

●最高速度が時速40キロとかなり遅めであり、びっくりするほど丁寧に慎重に走っている。

●まだ発展途上なのではないか。

人間が判断に迷う、信号のない交差点などでは、グーグルカーもとまどっている。

●乗ってみると最初は驚いたが、あまりにも快適すぎて、途中から自動運転であることを忘れていた。

●病気で運転できない家族のために、一刻も早く実現させてほしい。

この中で、発展途上という意見にも耳を傾けるべきでしょう。

実際に法律で運転手と認められ、誰でも自由に乗れるようになってから、やはり不備があると言われても時間を逆向きに戻すことは出来ません。運用には当然慎重になるべきです。

また、自動運転の可能性として非常に重要なものが、『運転できない方へのサポート』です。

タクシーが軽く拾える街中ではいいのですが、車でしか移動できない田舎では、運転できないということが社会生活において重大なマイナスとなります。

お年寄りや病気の方々が、なにも気にすることなく、行き先を命令するだけで車が勝手に走ってくれる。

事故の予防も同じ観点ですが、人間を幸せにするための技術が自動運転車であるべきなのです。

ここ10年の進化スピードを考えると、完璧な自動運転車が生まれるのも時間の問題です。

シンギュラリティ(技術的特異点)と言われますが、人工知能が人間に匹敵するのはあと20年ほどと言われています。

日本にいる我々にも、自動運転車に乗れるような生活が訪れることは間違いありません。

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