さくっと読めておもしろい!
10巻以内で完結するのに、濃厚に楽しめて巻数以上の物語を楽しめる傑作についてご紹介いたします!
砲神エグザクソン 全7巻
ある時、地球にやって来た異星人たち。
友好的な種族であり、最初は警戒していた人類も安心して、彼らを受け入れるようになります。
異星人はとてつもなく高度な文明を持っていたため、高度な科学と、地球の文化を交換にして交流を深め、10年も経つ頃には、いつしか異星人は自然と地球に住み着くようになりました。
人権を持ち、市民として、公務員として、異星人が地球で働く時代が訪れました。
異星人のおかげで地球の文明は高度になり、ついには異星人の本星との異空間エレベーターまで製作されます。
更に互いの星が密着した交流ができるようになる。
おだやかで理性的な異星人のおかげで、新たな人類のステージが始まる…はずでした。
異空間エレベーターが完成するとともに、異星人は、「10年間で地球のすみずみに我々の力を行き渡らせることが出来た。これより地球を植民地とする」と宣言し、地球軍に譲り渡した軍事兵器のすべてを無効化した上で、一挙に侵略と占領に入ります。
すばらしく上手いやり方です。
まともに戦えば、10年かかっても決着はつかないも知れませんし、勝利したとしても、地球は激しい戦いで焼け野原でしょう。
10年かけて異星人の科学を地球に広めたおかげで、一気にすべてを無効化することができ、いいように無傷で支配することが出来る。
もはや地球は異星人の手中に落ちると思われましたが、異星人が来訪した10年前から、「必ず侵略される!!」と訴え続けていた主人公の祖父たちが、地球すべてを巻き込んだ孤独な戦いに乗り出します。
これは信じられないほどおもしろいSF漫画です。
園田健一さんは、脱衣麻雀のキャラデザインやってたのは黒歴史と思わせるくらいの素晴らしく緻密なアイディアと取材・研究のもと、この漫画を執筆されています。
これはもう黒歴史だ!
ロボットが歩くだけでも科学的なデータと物理学的根拠のもとに動作を描いていますし、各所に散りばめられた数々のSF的アイディアに関しても、1998年とは思えないような、現代でも通用する優れたものです。
この手の漫画では、『主人公のロボットが、敵を倒して終わり、倒したらまた新しい敵が出る!』というようなものが多いのですが、この漫画はまったく違う深みのある展開で、常に読者の想像を裏切り続けます。
ラストでは、もうどうなってしまうんだ!?とページを読む手が止まりません。
エヴァンゲリオンと同時期に始まった作品ですが、知名度でとんでもないほどの差があるものの、エヴァに匹敵する名作だと言われてもまったくおかしくありません。SF好きならぜひ読んでいただきたい傑作です。
ガンスミスキャッツ 全8巻
園田健一先生の漫画をもう一作紹介しておきます!
1991年に第1巻が発売されたガンスミスキャッツは、初期の頃こそ、「なんか話が小慣れてないな」「主人公が20歳というけど、どう見ても9歳くらいの顔だ」などなど不満があるかも知れませんが、読み進めるにつれ異常におもしろくなり、緻密な描写が癖になっていきます。
銃にしても爆弾にしても、アメリカ社会の闇にしても、どれもこれもかなりリアルで深いです。脳の半分がアメリカ人なの!?
絵もストーリーもとてつもなく濃厚で、8巻とは思えない内容があります。
歴代アシスタントは、現在著名に活躍されている方ばかり。相当な実力がないとアシスタントすらできないだろうと思わせる、入魂の作品です。
最強伝説黒沢 全11巻
10巻完結と言ったのに11巻ですが、1巻は誤差ということで許してください!
カイジなど、デスゲーム系で知られる福本伸行さんの作品ですが、内容はほとんどギャグ漫画。
連載当初、なんでこんなの描いたの!?と思いながら読んでいましたが、いまでは福本作品の中でも非常に好きな1作です。
なんかわからないけど異常におもしろい部分が多く、気づいたら笑ってしまうし、なんだかずっと読んでいたくなりますね。
表紙はまったく癒やされないのですが、いつしか黒沢に癒やされていきます。なんかわからないけどおもしろい漫画です。
吼えろペン 全13巻
ぼくの人生に非常に強い影響を与えた島本和彦先生の傑作。
なにこれ!! こんな漫画家いるの!? いやいる!! 本人だし!!
こんなのあり!?と言いたくなるような数々のエピソード、ほとんど小学生やないかというような理屈など、熱い魂を全力で描き切った素晴らしい作品。
島本和彦先生の漫画は本当に面白い!! 全13巻は誤差です!!
熱かったり正直だったり、卑屈だったりいろいろな人間臭い場面が出てきますが、まったく嫌味がないのが島本先生のすごいところ。作者の素晴らしい人間性ですね。
はっきり言って死ぬまで連載していて欲しい大傑作だと思います。
読んでいるだけで気持ちいい!! すべての漫画家や漫画家志望は読むべき! 最高の傑作です!
寄生獣 全10巻
メジャーになりすぎて、もう誰でも知っている漫画になってしまいました、寄生獣。
でもやはり10巻以内で濃厚なストーリーを楽しみたいならこれです。
まさかな展開の連続で、最後はしんみりとさせてくれる、漫画のお手本のような構成ですね。
いつ誰が読んでもおもしろいのも、この漫画が長く愛されている理由だと思います。
三つ目がとおる 全10巻以内
今の若い方は、表紙を見て「あっ、古…」と思われたと思うんですよ。
実際、古いということは認めます!
ぼくも、地球の歴史の中でもだいぶ古くなってきたと感じますから!
でも、ほんとにこの漫画はおもしろいんですよ…。
1974年からの連載ですから、作風が古くても、ストーリーはかなり骨太。
当時としては有り得なかった、少年漫画の主人公が悪であり、人類を破滅させることを楽しむ異端のストーリー。
手塚漫画らしい奇想天外さと、こんなにいろんなアイディア湧いてくるんだ~というような幅の広い展開に、ただただ驚かされます。
確かこの時期、手塚先生って月間300ページくらい描いてませんでしたっけ? それでこのクオリティとは、ただただ尊敬の一言です。
いろんな文庫や新装版が出ており、それによって巻数が変わるのですが、だいたい10巻以内で終わります。
どこから読んでも傑作の一言で、現代人が忘れかけていた神秘と冒険がそこにあります!
漂流教室 全6巻
今よりも遥かな未来の時代へ、学校ごとタイムスリップしてしまった子どもたちの物語。
未来は現在とはすっかり様子が違い、人類は滅亡し、数々の災害に悩まされる地獄と化していました。
美しくも残酷に、未来の世界で生ききる少年たちの行く末とは!?
これまた超有名な漫画ですが、もうほんとに面白すぎて、紙がすりきれるように読んだ記憶があります。何度読んでもおもしろいですよ!
もちろん、今の漫画のような緻密さが欠けているところもあるのですが、そんなことをちっとも気にさせない、濃厚で予想を裏切るストーリーが展開されます。
やはり、さすがの天才作家です。語り継がれるべき名作です。
伊藤潤二傑作集 全11巻
日本が誇る天才ホラー作家、伊藤潤二先生の傑作選です。
この人のホラーは本当にすごい!!
おもしろいとかそんなレベルじゃなく、よくこれだけ短い中に独創的なアイディアを盛り込めるなと感動します。天才的作家さんです。
そしてなんといっても絵が美しい。女性の美しさなど絵画じゃないかと思うくらいです。きれいなホラーなので、女性ファンもすごく多いですね。
恐怖マンガコレクションという全16冊の全集もあるのですが、10巻以内からはみ出しすぎるので、まずはこちらを…。
何度読んでもおもしろい、ホラーが嫌いでもなぜか読めてしまう、アイディアのホラーとでも言うのでしょうか。ぼくはホラー映画とか好きではないんですが、伊藤潤二先生の作品はまったくの別格。腕前がなんとも鮮やかです。
ぜひご一読をお勧めします。
銀と金 全11巻
福本伸行先生の持ち味が最大限に行かされた傑作漫画。
なんで打ち切られたのかな…こんなにおもしろいのに…。
確かに1巻の表紙を見ると、まったく面白そうに見えない雰囲気がありますが、この漫画はほんとに異常なくらいおもしろいんです!
『カイジ』などを面白く読まれた方なら、下手すると『カイジ』よりも楽しめる可能性だってあります。
打ち切られたせいで、主人公が『ある条件を満たす特別な存在』という設定をされていたものの、なにも明らかにならないうちに作品から離脱するというとんでもない事態になりました。
もーーーーーほんとちゃんと再開させてあげてよ!!
何度読んでも、主人公たちの鮮やかさに惚れぼれとさせられますよ。続きが読みたい大傑作です。
冒険王ビィト 12巻~
最後にこの作品を紹介させていただきます。
2006年に、作者の病気ということで、急遽連載が止まってしまった冒険王ビィト。
アニメも放映され、大人気作品になるという直前の休載であったため、抜き差しならない事情が想像されましたし、ファンも続きが読めることを諦めていました。
そのため、10巻前後の作品として紹介されることが多かったのですが…
ついに10年間の沈黙を経て!! 今年から連載再開されることになりました!!
まさかこんな奇跡が起こるとは…。
もう人生で続きは読めないと思っていたものですから感動モノです。
2016年はぜひぜひ冒険王ビィトを応援したいと思います!
ダイの大冒険の作者コンビであり、名作のツボをしっかり押さえた傑作少年漫画です。再開を機に、長期連載になってくださることを期待しています!