早く続きを読ませて!
おもしろい漫画を読んでいると、「早く続きを読ませて!!もう待ちきれない!!次回作の発売日までタイムスリップさせろ!!」と思ってしまうことがしばしばあります。
バック・トゥ・ザ・フューチャーでもそんな理由でタイムスリップしてませんが、本当におもしろい漫画に出会った時の感動は、まさにタイムスリップを願うほど大きなものがあります。
今回は、管理人が個人的に「もうタイムスリップしかない!!」と思わされた超面白いおすすめ漫画についてご紹介いたします。
1.嘘喰い
いま、ぼくが一番おもしろい漫画、それが『嘘喰い』です!!
連載が始まった当初は普通のギャンブルものかなと思っていたのですが、巻が進むにつれ、作者の漫画力が恐ろしいスピードでレベルアップ。
『ミノタウロス編』に入る辺りでは、「あああああ早くタイムスリップさせてくれ!!」とうなるほどの面白さ。
ドラえもんでのび太くんが、「漫画『オシシ仮面』の結末が気になるからタイムマシン使う」と、たかだかオシシ仮面ごときのためにタイムスリップしたことがありましたが、ぼくも『嘘喰い』のために毎巻タイムスリップさせろと思ってしまいます。
『嘘喰い』では「よくこんなことが思いつくな」という知力と謀略が飛び交い、目がさめるような主人公たちの行動には、『ジョジョの奇妙な冒険』を初めて読んだ時のような感動がありました。
作者は『ジョジョの奇妙な冒険』の大ファンだそうで、『嘘喰い』は『ジョジョ』の正統後継であるといっても差し支えないのではないでしょうか。
『ジョジョ』同様、絵のセンスも、「最初はとっつきにくいが慣れたらもうこれしか考えられない」と感じさせる魅力ある絵柄です。
上で掲載した37巻と38巻の繋がる表紙が発表された時には、
「うわーーーっ獏とラロが戦ってる!!超かっこいーーーー!!」
とベタ惚れしたものですが、知らない人から見ると、
なんでこのスーツの人達、ドクロの前で日本舞踊おどってんの
と思わせるこの感じ、『ジョジョ』とよく似ています。
ぼくは『ジョジョ』で何度もこのような経験をしてまいりました。
漫画で目がさめるような知略が見たければ、やはり『嘘喰い』。
作者さんのデビュー作ですので序盤はやや満足感が少ないですが、ぜひぜひ10巻以上読んでいただけることを望んでおります。
今すぐ本屋さんにこのようなポーズで走りに行って下さい!
わたしも、このようなポーズでお待ちしております!
※ネタにしているわけではありません。
2.orange
2012年に別冊マーガレットで連載されていたのですが、その後休載。
話はめっちゃいいところで止まったまま終わり、ファンから「早く再開して!!」と願われていましたが、2014年に月刊アクションで不定期連載が始まりました。
主人公のところに『未来の自分』から手紙が届き、いま主人公が憧れている男の子は、未来では自殺してしまっていないという内容。
男の子はなにに悩んでいたのか?
男の子の未来を変えるため、主人公は手紙の思いにそって、現実に動き始めます。
とにかく絵もきれいで、休載後はマーガレットに連載できなくなったことから、作者は「自分のホームページで連載する」とも言われていたものの、無事にアクションに移籍できてよかったです。
今年の12月には映画も上映されるそうで、休載前はあまり知られていませんでしたが、いまや150万部を突破する漫画になりました。
『続きが見たくなる!』少女漫画であり、ぜひぜひおすすめします。
3.累(かさね)
これで新人だって!?絵も話もめちゃくちゃ上手いじゃねーーーか!!
この物語の主人公は世にも醜い少女で、その醜さ故に不幸な人生を送ります。
けれども死んだ彼女の母は、絶世の美女。
なぜあれほどの美女からこのような醜い少女が生まれたのか?
しかし、美しい母の容姿は生まれ持ったものではなく、『ある方法』で美しい女性と『取り替えた』ものでした…
その『取り替え方』とは?
もしもその『取り替え方』を覚えたら、自分も美女と顔を取り替える?
取り替えられた者はどうなる?
あまりにも仄暗いシンデレラ・ストーリー、現代文学のようにおもしろいです。
4.きのう何食べた?
ゲイのカップルが、料理を作るという漫画。
たったそれだけの話のはずなのに、これがまた異様におもしろいんです。
なんでこんなにおもしろくできるの?
これだけの題材でこんなにおもしろくできるなら、もう、
相撲取りがコロコロ掃除してるだけでもおもしろく描けるんじゃないですか?
読者がゲイやLBGTに関心がなくてもおもしろく読めて、中身に引きこまれます。
主人公の男性はとてつもなく料理が上手く、ひそかに何度もレシピを真似しました。ほのぼの読めて、本当におすすめです。
5.変身のニュース
以前、この作品は記事で紹介したのですが、やはりおもしろ漫画を紹介する上で避けては通れないなと思い、再度紹介いたします。
詳しくは以前の記事で見ていただくとして、漫画でしか見れない表現、漫画でしかわからない感情が味わえ、漫画があってよかったと思わせる作品です。
卓越した表現力が素晴らしく、作者の宮崎夏次系さんには今後も末永く活躍していただきたいと思います。
6.岡崎に捧ぐ
ぼくと同世代の作者さんが、友人の結婚式に宛てて描いたウェブ漫画。
あまりのおもしろさにアクセスが殺到し、著名人に紹介され、雑誌連載、単行本になりました。山本さんにはそれだけの才能があり、きっかけさえあれば芽が出た方だと思うのですが、実に夢のあるすてきなお話です。
内容は大親友の『岡崎さん』とのプライベート切り売り漫画ということなのですが、同世代を生きた人間にとっては何もかもが輝いており、楽しかった頃をまた過ごすような気持ちになれます。
『ちびまるこちゃん』が、さくらももこと同世代の大人たちにも受けたように、この作品も同世代の人間にとって、色あせない傑作になっていくことと思います。
7.きりひと讃歌
手塚先生の作品は傑作が揃っており、どれを紹介しても「あれがないでしょ!」という状態になるのですが、その中でも『きりひと讃歌』はずば抜けています。
謎の奇病『モンモウ病』に感染した主人公を通して、医学というものの在り方について鋭く切り込まれた手塚漫画の傑作です。
手塚漫画で有名な『ブラック・ジャック』は、途中で宇宙人が出てきたり、超能力で手術する医師が現れたり、挙句の果てにコンピューターから治療手術を求められることもありましたが、それはただの修理です。
手塚先生自身も、『ブラック・ジャック』をエンターテイメント作品だと認めているわけですが、この『きりひと讃歌』はどこまでも写実的、かつ本能的であり、子どもに読んで欲しいが、絶対読ませたくないと思わせる複雑な作品でもあります。
それにしても、『鉄腕アトム』から『きりひと讃歌』まで、これだけのものが幅広く描ける才能にはまったく感服します。手塚先生の時代と今の時代では、漫画1ページの密度がまるで違いますが、現代漫画のような美しさはなくとも、永遠に読み継がれるべき名作だと思います。
8.7SEEDS
もしも地球が滅亡したら?
その時、わずかな人間をシェルターで冷凍保存させることができたなら?
誰を残す?そして、残った人間は、遥かな未来に目覚めた時、どうやって生きる?
目覚めた地球が、もはや人間の生きられない世界だったとしても、どうやって生きのびる?
7SEEDSはそんなIFの未来を描写するSFで、その人気から現在まで続く長期連載になっており、滅亡の未来でどう生きていくのか、それぞれのキャラクターから目が離せません。
少女漫画的な描写ですが内容は実に骨太であり、男性でも楽しめると思います。
こんなじじいにも楽しめているのだから間違いありません。
9.プレイボール
この作品を見るまでぼくは野球をまったく好きになれず、子どもの頃などはせっかく予約したはずの番組録画をずらしていく妖怪くらいの印象しかなかったのですが、この『プレイボール』の谷口くんを見てから世界が変わりました。
中学時代の全国大会決勝で指を負傷し、もう野球はできないはずだった谷口くん。
しかし、『好きだから』、『あきらめられないから』、谷口くんはまたその青春を野球に燃やします。
はっきり言って絵が超古く、なんの迫力もありません。
今時の漫画だと、見せ場では2ページ見開きで1球を投げるのは当たり前、下手すると1球も投げずに、「俺はこのマウンドに立つまでこんなことがあった…」と、過去を思い出しているだけで時間がすぎることもあります。
この漫画は古すぎるため、そんな漫画的表現が何もなく、敵のボールが速いのか遅いのかも絵だけではよくわかりません。
ただ、主人公たちが「すごい球だ!」「な、なんて速い球だ!」と言うセリフを追って、「こいつがこう言うんだからきっと速いんだろう」と判別するのみ。
けれどもその中にある精神は熱く、ぼくは何度も谷口くんたちと一緒にマウンドに立つような体験をしたものです。
この漫画には派手な魔球などは出ず、女の子ひとりすら登場せず、ただただ、ひたむきで真っ当な野球を進めていきます。
その上、結末は『おれたちの野球はまだ始まったばかりだ!』という状況なので、なんでもいいから結末をつけてほしいと言いたくなってしまうのですが、超人化している日本の野球漫画の中で、等身大にひたむきにがんばる谷口くんたちの姿を、野球漫画の金字塔としてぜひ推薦させていただきたいです。
10.ぼくの地球を守って
作品セレクトがじじいだと思われるかも知れませんが、古いものの中にもいいものがありますので紹介させて下さい(笑)。
『ぼくの地球を守って』は、前世で深い因縁を持った少年と少女たちが、前世の記憶を思い出す中で起こる衝撃的な事件と、悲劇の運命を描いた少女漫画の傑作です。
絵は確かに古いのですが、ストーリーが異常に面白いために、男性であっても問題なく入り込めます。
「なぜ?」「どうして?」…読む手が止まらない衝撃の中、さまざまな運命がひとつにまとまっていく姿は正に圧巻で、漫画という世界の面白さを存分に味わえます。
読んだことのない若い方にはぜひ読んでいただきたいと思います。
何度読んでも面白い傑作です。
まとめ
ぼくは比喩抜きで、どんなに忙しくても年間1,000冊は漫画を読んでいますので、やはりその中には『これはおもしろい!』『たくさんの人に出会ってもらいたい!』と思う作品がたくさんあります。
今回ご紹介したのはその一部ですが、今後もぜひ、読み終わった後に「あーーー続き読みたい!」「あーーー終わってほしくない!」と思える漫画をたくさん紹介していきたいと思います。
みなさまにとって、すてきな1冊との出会いのきっかけになれましたら幸いです。