大阪を流れる『大和川』。
大阪人にとって美しいイメージがまったくない川ですが、古代の大和川はそれはそれは美しい川だったらしく、多くの伝説が残されています。
桃太郎のモチーフになったのではと言われているのもここで、大和川の上流から流れてきた『瓶』の中に赤ちゃんが入っており、その赤ちゃんが後に播磨の国で『大荒明神』になったとのこと。
完全に桃太郎はこれをパクッてますね。
今ではそんな美しい川の面影はなく、子どもたちが生き物をつかまえて遊ぶだけの川になっていますが、大和川には今でも『うなぎ』達が生きているのです。
うちでそんなうなぎの赤ちゃんを飼うことになったので、飼い方育て方をレポートします!
今でもいろんな生き物がいる
なぜ、突然うなぎを飼うことになったのか…!
それはある晴れた日、息子と大和川を散歩していると、川に入ってなんかしているおっちゃんを見つけたことから始まりました。
普通の大人であれば、川に入ってなんかしてるおっちゃんというのはかなり怪しく、話しかけずにスルーしてしまうのですが、心に壁がなく人懐っこいうちの息子は、明るくおっちゃんに話しかけていきました。
「なにとってるんですかぁ~?」
「魚とってるんじゃよ… 少しやろうか?」
「ありがとう~!(^-^)」
なんとおっちゃんは、ここで鯉やうなぎなどを採取しているそうな…。
こんなところでうなぎが!!?? こんな都会の川だというのに…!
しかし今の大和川でも、網ですくうだけで大量にうなぎや魚を捕まえられるそうです。
おっちゃんは自分のクーラーボックスや網から、次から次へとエビ、カニ、亀、うなぎを分けてくれました。
すんごいいっぱいいる…!!
生きもの大好きな息子は大喜びでしたが、急にうなぎなんかもらってしまったために、パパの戦いが始まることになりました…!(笑)
どうやって育てたらいいんじゃい!!
うなぎの赤ちゃんまじ可愛い、その育て方とは
うなぎを育てたら、将来蒲焼きにできて得じゃんと思われた方…!!
蒲焼き買ったほうが安いというくらいお金がかかるんですぞ!!
うなぎの赤ちゃんは、そもそも食べられるものが少ないのです。その上、野生なので人工のエサを嫌い、餓死してしまう個体も少なくありません。
大きくなればなんでも食べる超財布に優しい子になるんですが、赤ちゃんのうちはとにかくエサ選びが重要です。
そんなうなぎの赤ちゃんでも食べられるのが、冷凍赤虫です!
赤虫を冷凍してキューブにしたもので、これならわがまま言いたい放題のうなぎの赤ちゃんも安心!
本当にわがままなやつだ!!
サラリーマンのランチより高いじゃねーか!!
亀やカニ、エビのエサが100円ショップで売っていることを考えると、かなり割高なのですが非常に食いつきがいいとされているエサです。
これで食べなかったらあきらめざるを得ません。
あとは飼育環境として、超巨大化するので大きな水槽が必要ということと、壁を登れる性質があるため、脱走防止にフタを密閉したり重しを置いたりすることですね。
それ以外には特に気をつけることもなく、わりと丈夫な魚なので元気に育ちます。
まさかうちでうなぎを育てることになるとは…。息子は大喜びです。
うなぎの稚魚は純金より高い
息子の「うなぎ飼いたい!」に答え、たった一晩でうなぎ博士になるほど調べ尽くしたぼくですが、それにより、息子が出会ったおっちゃんが何をしていたのかわかってきました。
うなぎの稚魚はもはや純金より高く、2007年には1キロ250万円で取引された立派なビジネス。
おっちゃんは定年退職されている年齢だったので、お小遣い稼ぎされていたんですね。1匹でも200円で取引される高級魚になるそうです。
ちなみに、全国各地にうなぎの稚魚がとれる川がありますが、たいてい漁業権があり、許可なくうなぎをとると罰金か懲役という厳しい罰則が与えられます。
ですが、大和川には現在設定された漁業権がないので、うなぎの稚魚をとっても違法にはならないとのことです。これは大和川管理事務局に問い合わせたので間違いないと思います。
大和川では網でじゃぶじゃぶするだけで、かなりのうなぎが捕まえられるので、夏場に子どもと遊ぶにはとてもいいかも知れません。
うなぎの稚魚は大切な資源なので、飼う場合は大事に育ててあげましょう。水槽の中を可愛らしく泳ぐ姿には癒やされます。
ぼくは田舎で育ったので多くの生き物を育てましたが、生き物から教わることは本当に多かったです。大人になって、また息子と2人で子どもに戻ったように遊べること、本当に嬉しいですね。